Vision

アグリ事業

接木資材Grafting material

『BuddyTape(ニューメデール)』
世界50カ国以上で活用されています

接木生産技術の大革新
Buddy Tape

接木資材『Buddy Tape(海外用)』『ニューメデール』は、果樹・花卉の苗木生産で使用される接木商品です。テープを伸ばすと粘着性が出る独自の工夫をしており、接木の接合部に密着して覆うことができます。接合部を被覆することで乾燥や病気から保護し、非常に高い活着率を実現します。

また、活着後は薄く伸ばしたテープを破って芽が出るので、ポリエチレンテープ等のようにテープを除去する手間がなく、作業コストの大幅な低減が図れます。素材には天然由来原料を主成分としており、自然劣化した後はバクテリアに分解されるため、環境保護にも優れた商品です。

接木テープは、当社の創業時から続く主力製品であり、現在では国内のみならず、世界の広い地域(50 カ国以上)で使用されています。今後は、世界一の作付面積を持つブドウ(約700万ha)の苗木市場でシェア拡大を目指し、国際的な「アグリスブランド」を確立します。

※接木とは、柑橘類・ブドウ等の果物や花卉の品種更新や改植を行う際、新しい品種の穂木を自生力の強い台木に結合させる農業技術の一つです。

果樹苗木の接木技術トップバディング法
  • 従来の接木法では、①切り目を入れた台木に穂木を挿入し、②PE テープを巻きつける。接木完了後には、後作業として③PE テープ除去と台木上部枝の切除が必要。
  • トップバディング法では、(Ⅰ)上部をカットした台木に穂木を挿し、(Ⅱ)Buddy Tape を巻き付けるだけで接木が完了する革新的な方法である。(Ⅲ)テープは自然劣化するため、除去する手間がなく、 作業後の省力化が可能。
ブドウ苗木の接木技術Buddy Tape によるV 字接ぎ
  • 従来のブドウ苗木の接木法では、①オメガ型(Ω状)に台木と穂木をカットし、②ワックスや蝋で結合する。この方法は接合部の結束力が弱く、活着成功率が低い(活着成功率 50 ~ 60%)。
  • 当社では、台木と穂木を(Ⅰ)V字にカットし、(Ⅱ)Buddy Tapeで接合部を強い結束力で密着することで、90%以上の成功率で接木できる革新的な方法を開発。(Ⅲ)テープは自然劣化するため、除去する手間がなく、後作業の省力化が可能。

キウイ花粉kiwi pollen

キウイ花粉の授粉作業の様子

輸入と国産の両軸で
キウイフルーツの生産を支援

2012年に発生した “カイヨウ病” により日本のキウイ農家は危機的状況になりましたが、当社は国の指導の下、安全・安心な花粉 の供給に取り組み、キウイ花粉事業を大きく発展させました。現在では、カイヨウ病が発生していない国( ニュージーランド南島、 米国)から高品質で受粉率の高いキウイ花粉を輸入し、日本のほ とんどの農家に供給しています。さらに、他の果樹へも花粉事業を拡大しています。

一方で、日本国内で花粉の供給を増やすためのプロジェクトにも協力しています。国内で安定的な供給が実現すると、混迷を深める輸入花粉の価格変動にも対応することができます。今後も農家の皆様が安心して使用できる花粉を、日本全国へ供給する体制を構築していきます。

※カイヨウ病(キウイフルーツカイヨウ病)とは、細菌が枝・葉・花蕾等に感染して発生する病気。枝や樹全体が枯死に至ることがある。

  • 安全なキウイ花粉の
    供給対策の実施

    キウイ花粉の輸出国と輸入国(日本)でカイヨウ病に対する防疫協定を結び、安全な花粉の供給体制を実施しています。

  • 発芽率の高い
    高品質花粉の精製技術

    雄木から採取したキウイ花粉を純度の高い花粉に精製するために、独自に開発した精製機と適切な作業管理によって高品質な花粉の提供を実現しました。

  • 品質の安定と長期保存を
    目指した包材の開発

    花粉は外気の環境に大きく影響を受けるため、長期保存用の特殊な包装を開発。袋内部に吸湿性の特殊な素材を採用し、花粉の長期保存を可能にしました。